ふるさと納税寄附者への緊急連絡に郵送とメール、SMSを併用し、郵送のタイムラグによる弊害を解消した。
メールとSMSで閲覧状況を比較した結果、SMS本文内のリンククリック率がメールの4倍以上に上った。
SMS配信のリスト作成、原稿作成、配信をネクスウェイがサポートし、湯沢町役場はその他の緊急対応業務に注力できた。
新潟県湯沢町について
新潟県の中南部に位置する湯沢町は「観光立町」を掲げ、多くのスキー場や温泉を活かした観光まちづくりに注力しています。同町のふるさと納税「湯沢こころのふるさと基金」も観光と密接に結びついた形で運営しており、令和3(2021)年度の寄附件数は7,410件、寄附総額は約6億3900万円となっています。
到達率の高いSMSは、自治体から一般市民への連絡を補助するコミュニケーションツールとして活用されるようになっている。新潟県湯沢町では、ネクスウェイのSMS配信サービス「SMSLINK」を試験運用し、ふるさと納税の寄附者への案内にSMSを活用。メールと比較検証した結果、案内ページリンクのクリック率に4倍以上の差が出るなど、SMSの有効性が実証されている。
実際の運用体制や、同町における今後のSMS活用の可能性について話を聞いた。
今回の試験運用では、ふるさと納税の返礼品として設定されている「ありがとう湯沢」応援感謝券(以下「応援感謝券」)に関する緊急連絡にSMSを活用した。同町では2022年12月、応援感謝券の取扱店を急遽見直すために寄附の受付を一時的に停止し、またこの見直しに伴って、2023年1月に応援感謝券の有効期限を延長した。これらの過程で発生した寄附者への2回の連絡(応援感謝券の寄附受付再開及び取扱店の変更の案内、応援感謝券の有効期限延長の案内)で、別件でネクスウェイから提案を受けていた「SMSLINK」をテストすることに。正式な書面の郵送に加え、役場Webサイト上の案内ページへのリンクを付けたメールとSMSを送付した形だ。
同町企画観光課の平賀氏は、SMSの「スピード」と「到達性」に期待していたと話す。湯沢町のふるさと納税寄附者は4割以上がリピーターであるため、寄附獲得に向けたリピーターへの働きかけが重要になる。また、今回一時停止することとなった応援感謝券は同町のふるさと納税における返礼品総額の9割を占めること、さらに駆け込みでの寄附が多くなる12月の対応となったこともあり、特に再開の案内をできる限り迅速に行いたかったという。「郵送では寄附者に到着するまで最低でも2〜3日のタイムラグがありますし、万が一寄附者側の住所変更があると不着になる恐れもあるため、ほかのツールも併用したいと考えていました。メールも主要なコミュニケーションツールではありますが、プロモーションメールや迷惑メールに埋もれてしまう懸念も否めません。そこで郵送 、メールにSMSを加え、3つのツールを併用すれば、どこかで必ず寄附者の目に付く状態を作れるのではないかと考えました」(平賀氏)。
配信時はネクスウェイの担当営業が強力にサポートしながら、わずか数日という短期間で配信内容の決定から1回目の配信までを行った。配信リストは郵送+メール、郵送+SMSで重複がないように分けて比較できるようにした。
「配信リストや文面の作成も含め、メール・SMS配信に関わる部分はネクスウェイがサポートしてくれたので、短期間での配信ができました。特に応援感謝券の寄附受付再開と取扱店の変更をご案内する際は、実質3日ほどで約5,000人に連絡するという強行スケジュールでしたが、ネクスウェイのサポートで乗り切ることができたと思います」(平賀氏)
また、当時ふるさと納税業務を担当した山崎氏は、担当営業からの運用提案も評価する。
「特に提案してもらってよかったと思うのが、発信元番号を指定できたことですね。SMS の発信元として、湯沢町のふるさと納税専用部署の電話番号を表示することで、寄附者の方が安心してリンクをクリックできるようになりました。そのほかにも、自治体への豊富な導入実績を活かした的確なアドバイス、提案をいただき、コミュニケーションの専門家としてとても信頼できると感じました」(山崎氏)
2回の配信でメールとSMSを比較した結果、案内ページリンクのクリック率に有意な差が表れた。特に2回目の配信ではメールのクリック率が4.67%、SMSでは18.92%と、SMSのほうが4倍以上クリック率が高くなった。
「SMSのほうがメールより見られやすいとは体感では思っていましたが、現実にこれほどの差が出るとは思いませんでした。視認性の高さが数値的に実証され、改めてSMSの有用性を実感しています」(山崎氏)
この成果を受け、同町では2023年度の予算を確保し、「SMSLINK」をふるさと納税寄附者への手軽な情報発信ツールとして本格導入することを決定した。「議会を通過し、予算を確保できたのは、SMSや『SMSLINK』の実績が客観的に認められた証左だと思います」と平賀氏は笑顔を見せる。
本格導入後は「SMSLINK」の活用シーンを広げたいと平賀氏はいう。
「例えば、毎年度のふるさと納税の実績報告にSMSを使えないかと考えています。現在は役場のWebサイトにPDFの報告書を掲載しているだけですが、そのリンクをSMSに掲載して寄附者に配信すれば、寄附金の活用状況をより確実に報告できるでしょう。また、新しい寄附方法のPRにも使えそうですね。寄附者との積極的な情報発信を通じて、寄附金額の増加、リピーターの獲得を目指したいと考えています」
また山崎氏は、ふるさと納税の領域を超えた活用の可能性を見出しているという。
「例えば、応援感謝券を使うために湯沢町を訪問する寄附者に向けて観光情報を発信する、といった使い方も面白いかもしれません。直近の組織再編で、ふるさと納税の部署と観光関連の部署がひとつになったため、連携しながら寄附者、観光客とのコミュニケーションを強化できればと思います」(山崎氏)
平賀氏も下記のように期待を寄せる。
「引き続きネクスウェイには運用のアドバイスも含めてサポートしてほしい。これからもコミュニケーションのプロフェッショナルとして、かゆいところに手が届く提案を期待しています」(平賀氏)
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