特定電子メール法とは?罰則や違反しないための注意点を解説

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特定電子メール法はどんなときに違反になる!?罰則や違反しないための注意点を解説


こんにちは。「SMSLINK」ライターチームです。

企業のマーケティング活動において、電子メールは必要不可欠なツールです。しかし、ビジネスで電子メールを使用するためには、特定電子メール法で定められたルールを守る義務があります。特定電子メール法は、商業目的の電子メール送信に関する法律であり、受信者の権利を保護することを目的としています。

この記事では、自社サービスを開発している企業の経営者や事業責任者などに向けて、特定電子メール法が制定された理由や違反した場合の罰則などについて解説します。違反しないための注意点についても解説するため、ぜひ参考にしてください。


目次[非表示]

  1. 1.特定電子メール法とは
    1. 1.1.特定電子メール法が制定された理由
    2. 1.2.特定電子メール法の対象
    3. 1.3.特定電子メール法の対象とならない例
  2. 2.どのようなときに特定電子メール法に違反するのか
    1. 2.1.オプトインでメールの承諾を取っていない
    2. 2.2.メール配信を停止するオプトアウトを設置していない
    3. 2.3.送信者などの表示義務を満たしていない
    4. 2.4.送信元アドレスをなりすまして送信
    5. 2.5.架空電子メールアドレス宛に送信
  3. 3.特定電子メール法に違反した場合の罰則
  4. 4.特定電子メール法に違反しないための注意点
    1. 4.1.メールを配信する前に受信者から同意(オプトイン)を得る
    2. 4.2.オプトインの記録を保存する
    3. 4.3.配信停止の申し出を受けると、即停止できる設計にする
    4. 4.4.メルマガを発行する際は、表示義務を守る
    5. 4.5.SMSも特定電子メール法の対象となる
  5. 5.メール送付時に気をつけるべきこと
    1. 5.1.「デフォルトオフ」の推奨
    2. 5.2.個人情報保護法の対象になる
    3. 5.3.特定電子メール法と特定商取引法の主な違い
  6. 6.まとめ


特定電子メール法とは

特定電子メール法とは


特定電子メール法の正式名称は「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」といい、商業目的の電子メール送信に関する法律であり、受信者の権利を保護することを目的としています。

迷惑メールを抑制したり、良好なインターネット環境を維持したりする目的で制定されました。施行されたのは2002年であり、その後は2005年と2008年にそれぞれ改正されています。現在適用されているのは、2008年に改正された特定メール電子法です。

以前よりも規制や罰則が強化され、法律を制定した目的を達成できるように改善されています。オプトインに関する内容も、2008年の法改正によって追加されました。オプトインの詳細については後述するため、そちらを参考にしてください。



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特定電子メール法が制定された理由

特定電子メール法が制定されたのは、インターネットや電子メールの利用が普及した結果、迷惑メールが増加したためです。迷惑メールは2001年頃から特に急増し、読んだ人を惑わしたり、犯罪につながったりするような内容も多く、さまざまなトラブルの原因になっています。

このような状況は社会問題として認識されるようになり、法律上の対策が必要になりました。

  • 迷惑メールの増加  
    電子メールの普及に伴い、商業目的の迷惑メールが急増しました。これにより、多くの受信者が困惑し、必要な情報を見逃すことが増えました。

  • 受信者の権利保護  
    受信者が望まないメールを受け取らない権利を保障する必要がありました。受信者が自らの意思で情報を選択できる環境を整えることが求められました。

  • 適正なマーケティング活動の促進  
    正当なマーケティング活動を行う企業と消費者との信頼関係を構築するため、法的な枠組みが必要とされました。


このような状況をうけ、2002年に特定電子メール法が施行され、迷惑メールを防止するための役割を果たしています。


特定電子メール法の対象

特定電子メール法では「特定電子メール」を以下のように定義しています。

電子メールの送信(略)をする者(営利を目的とする団体及び営業を営む場合における個人に限る。(略))が自己又は他人の営業につき広告又は宣伝を行うための手段として送信をする電子メールをいう。 

引用:特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(第2条1項)



つまり、電子メールの内容が営業上のサービス・商品等に関する情報を広告又は宣伝しようとするものである場合には、明らかに特定電子メールに当たるものと記載されています。


また、次のような電子メールについても、広告又は宣伝を行うための「手段として」送信されているものと考えられるため、特定電子メールに該当するとされています。

  • 営業上のサービス・商品等に関する情報を広告又は宣伝しようとするウェブサイトへ誘導することがその送信目的に含まれる電子メール
  • SNS(Social Network Service)への招待や懸賞当選の通知、友達からのメールや会員制サイトでの他の会員からの連絡などを装って営業目的のウェブサイトへ誘導しようとする電子メール


特定電子メール法の対象とならない例

また、次のような電子メールについては、「自己又は他人の営業につき広告又は宣伝を行うための手段として送信」されたものとは考えられず、特定電子メールには当たらないものものと明記されています。

  • 取引上の条件を案内する事務連絡や料金請求のお知らせなど取引関係に係る通知であって広告又は宣伝の内容を含まず、広告又は宣伝のウェブサイトへの誘導もしない電子メール
  • 単なる時候の挨拶であって、広告や宣伝の内容を含まず広告又は宣伝のウェブサイトへの誘導もしない電子メール 
  • 政治団体・宗教団体・NPO法人・労働組合等の非営利団体が送信する電子メール



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どのようなときに特定電子メール法に違反するのか

どのようなときに特定電子メール法に違反するのか


どのような電子メールを送信すると、特定電子メール法に違反するのでしょうか。メールの内容そのものが違法でないとしても、電子メールの送信方法によっては特定電子メール法に違反する恐れがあります。

ここでは、特定電子メール法に違反する可能性がある具体的な状況について解説します。


オプトインでメールの承諾を取っていない

オプトインとは、メールアドレスの所有者から事前に承諾を得たうえで、広告や宣伝の内容を含むメールを送信する方法です。

特定電子メール法ではオプトインを義務付けており、承諾を得ずにメールを送信すると違法行為とみなされます。たとえば、名簿業者からリストを入手し、そこに記載されているメールアドレスに対して広告や宣伝の内容を含むメールを送信する場合も違法です。

ただし、インターネット上で公開されているメールアドレスに対して広告や宣伝の内容を含むメールを送信する場合は、問題ないとされています。直接会って名刺交換をした相手にメールを送信する場合も、同様に解釈されます。


メール配信を停止するオプトアウトを設置していない

オプトアウトとは、メールの受信者が送信者に対してメール配信停止を依頼するための仕組みです。広告や宣伝の内容を含むメールを送信する場合、メールの送信者はオプトアウトを設定する義務があります。オプトアウトを設定しておらず、メールの受信者が配信停止を依頼できない状況は特定電子メール法違反となります。

メールには、必ずオプトアウトの方法を明記しましょう。たとえば、受信者が設定を変更できるよう、専用のURLや電子メールアドレスなどを記載する必要があります。オプトアウトを設定していても、受信者にとってわかりづらければ迷惑メールとみなされる恐れがあるため要注意です。


送信者などの表示義務を満たしていない

メールを送信するときはオプトインを取得するだけでなく、必要な内容を漏れなく表示する義務があります。オプトアウトが可能である旨を明確に記したうえで、受信拒否を通知するためのURLや電子メールアドレスを記載しましょう。

また、メールの送信者の氏名または名称とともに、所在地の住所も明記する必要があります。メールの内容に関する問い合わせやクレームに対応するための連絡先の情報も必要です。URL、電子メールアドレス、電話番号などの連絡先を記載し、送信者としての表示義務を満たしましょう。


送信元アドレスをなりすまして送信

送信元のメールアドレス(送信者情報)を偽装して送信する行為も違反となります。正確な送信元から送信しなければなりません。


架空電子メールアドレス宛に送信

実在しない架空のメールアドレスに対してメールを送信することも法律に違反します。例えば、プログラムにより自動的に作成され、利用者がいない宛先のメールアドレスに送信する行為がこれにあたります。



これらの行為は、特定電子メール法に明確に違反し、罰則の対象となるため、注意が必要です。メール配信を行う際は、法律を遵守し、受信者の権利を尊重することが重要です。



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特定電子メール法に違反した場合の罰則

特定電子メール法に違反すると、総務大臣および内閣総理大臣から、規則に対する適合・改善命令などが出されます。状況によっては、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられる可能性もあるため要注意です。法人であれば、罰金は3,000万円以下となります。

また、違反行為はいずれも行政処分(主務大臣による指示又は業務停止命令など)の対象になり、企業名やその詳細が総務省のWebサイトに掲載されます。

特定電子メール法に違反して罰則を受けると、自由が奪われたり金銭的な損失が生じたりするだけでなく、イメージダウンにつながる恐れがあります。メールの送信方法を改善しても、一度ついたネガティブなイメージを払拭するのは簡単ではありません。長期的なダメージを受ける可能性が高いため、違反しないよう気を付けましょう。


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特定電子メール法に違反しないための注意点

特定電子メール法に違反しないための注意点


特定電子メール法に違反しないためには、日頃からさまざまなことを意識する必要があります。特に以下の3点は重要なポイントです。それぞれの具体的なポイントについては、さらに以下で解説します。

  • メールを配信する前に受信者から同意(オプトイン)を得る

  • 配信停止の申し出を受けると、即停止できる設計にする
  • メルマガを発行する際は、表示義務を守る


メールを配信する前に受信者から同意(オプトイン)を得る

広告や宣伝の内容を含むメールを送信する際は、事前に同意の取得(オプトイン)が義務付けられています。

送信者は、次に掲げる者以外の者に対し、特定電子メールの送信をしてはならない。
一 あらかじめ、特定電子メールの送信をするように求める旨又は送信をすることに同意する旨を送信者又は送信委託者(電子メールの送信を委託した者(営利を目的とする団体及び営業を営む場合における個人に限る。)をいう。以下同じ。)に対し通知した者 

引用:特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(第3条)


消費者庁のガイドラインでは、「①受信者が広告・宣伝メールの送信が行われることを認識した上で、②それについて賛成の意思を表示した場合に、同意が得られたものと考えられる。 」(引用:「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」)と記載されています。

つまり、同意に関する確認の文章があっても、小さい文字や目立たない色の文字、約款や利用規約が長くウェブサイトを膨大にスクロールして、注意しないと認識できないような場所に記載されている場合などのように、通常の受信者であればそれに気付くとは考えにくい場合などは、受信者が認識できるように表示されているとはいえないため、記載の方法にも注意が必要です。


オプトインの記録を保存する

特定電子メール法では、前項のオプトインについて、「同意を証する記録」の保存を義務づけています。保存すべき内容としては、次のいずれかとされています。

  • 同意を取得している個別の電子メールアドレスに関し同意を取得した際の時期、方法等の状況を示す記録
  • 特定電子メールのあて先とすることができる電子メールアドレスが区別できるようにされている記録に加えて、以下の区分に応じた記録
    • 書面を提示、又は交付することにより同意を取得した場合 当該書面に記載した定型的な事項の記録
    • 電子メールの送信をすることにより同意を取得した場合 当該電子メールの通信文のうち定型的な部分
    • ウェブサイトを通じて通信文を伝達することにより同意を取得した場合 当該通信文のうち定型的な部分(同意の取得に際して示す当該ウェブサイトの画面構成)

引用:「特定電子メールの送信等に関するガイドライン


保管期間は配信を停止した日から1ヶ月間と定められています。ただし、特定電子メール法に基づく措置命令を受けている場合は、保存期間が変わるため注意が必要です。


配信停止の申し出を受けると、即停止できる設計にする

メールの受信者から配信停止の希望があったときは、すぐに配信を停止する必要があります。メールの配信のための仕組みをきちんと整備し、状況に応じてすぐに停止できる設計にしましょう。

また、受信者がスムーズにメールの配信停止の申し出ができるよう、オプトアウトについてわかりやすく明示する、簡便なオプトアウトの方法の提供が推奨されています。

簡便なオプトアウトの具体例

  • 広告・宣伝メール本文に記載するオプトアウトの通知の連絡先となるURLを受信者ごとに異なるものとし、そのURLをクリックすることで表示されるウェブサイトの画面で簡便にオプトアウトができるようにする
  • 複数の広告・宣伝メールを送信している場合、オプトアウトの画面上で利用者が選択してオプトアウトの通知ができるようにしているときには、一括で全ての項目のオプトアウトができる設定を用意する


メルマガを発行する際は、表示義務を守る

メルマガを発行するときは、送信者やメールに関する情報についての表示義務をきちんと守りましょう。具体的には下記の表示が必要となっています。

  1. オプトアウトの通知ができる旨の記載
  2. 送信責任者の住所
  3. 苦情や問合せ等を受け付けるための電話番号、電子メールアドレス又はURL

また、受信者にとって判りやすく表示することも重要です。ガイドラインでは、電子メール本文の最初又は最後に記載することが推奨されています。また、オプトアウトの通知先をURLとする場合も、何度もクリックしないといけない場合などは、表示として不適当な例として記載されているので注意が必要です。


SMSも特定電子メール法の対象となる

昨今、BtoCビジネスにおいてSMS(ショートメッセージサービス)が活用されています。SMSとは携帯電話番号を使ったショートメッセージサービスです。最近では、企業から顧客に向けての連絡手段や本人認証として活用されています。


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このSMSについても、メール送信と同じように法律上は特定電子メール法が適用されます。SMS送信を行う為の携帯電話番号の取得においてもSMSを送ることの許諾、オプトアウトの設定は必要です。

ただし、すべてのSMSが特定電子メール法の対象となるわけではありません。「広告や宣伝など営利目的を伴う内容」以外は、特定電子メール法の対象にはなりません。

 例えば、取引上の条件を案内する事務連絡や料金請求のお知らせ等は宣伝・販促にあたらないため、特定電子メール法の適用外となります。


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メール送付時に気をつけるべきこと

メールを送信する際には、特定電子メール法だけでなく、他の法律や一般的なマナーにも留意する必要があります。以下に、特に注意すべきポイントを挙げて解説します。


「デフォルトオフ」の推奨

メールマガジンやプロモーションメールの申し込みに際しては、受信者が自ら選択できる「デフォルトオフ」の設定を推奨されています。デフォルトオフとは、同意するためのチェックボックスのチェックを外しておく方法です。もともとチェックボックスにチェックが入っているデフォルトオンの状態では、顧客が気付かないうちにメールの配信に同意してしまう恐れがあります。

デフォルトオンと比較して、デフォルトオフの方が、受信者の意思がより明確に表示されることになるため、実施が可能な場合には、デフォルトオフが推奨されています。


具体的な設定方法  

  • メール配信申し込み時に、受信希望のチェックボックスを設け、初期設定をオフにする。
  • 受信者が自らチェックを入れた場合のみ、メールを送信する。

個人情報保護法の対象になる

メールマーケティングにおいては、個人情報保護法も考慮しなければなりません。個人情報を扱う際には、適切な管理と取り扱いが求められます。

名前、電話番号、住所に加え、電子メールアドレスも個人情報に含まれます。2017年5月30日の改正により、すべての事業者が個人情報保護法の対象になっています。



個人情報保護法に基づく注意点  

  • 収集する個人情報の目的を明示し、受信者からの同意を得る。
  • 収集した個人情報は適切に保管し、漏洩や不正利用を防ぐための対策を講じる。


特定電子メール法と特定商取引法の主な違い

特定電子メール法と特定商取引法は、どちらも商業メールに関連する法律ですが、その適用範囲や目的には違いがあります。

特定電子メール法  

  • 商業メールの送信に関するルールを定め、受信者の同意を重視する。
  • 主にメールの受信者が望む情報を適切に提供することが目的。

特定商取引法  

  • 商品の販売やサービス提供に関連する取引のルールを定める。
  • 消費者保護を目的とし、契約前に必要な情報の提供や、クーリングオフ制度の適用などを定めている。

このように、それぞれの法律の目的や適用範囲を理解し、適切に対応することで、トラブルを未然に防ぐことができます。


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まとめ

特定電子メール法に基づく規制は、企業が顧客との信頼関係を構築する上で非常に重要です。法律を遵守することで、受信者からの信頼を得るとともに、メールマーケティングの効果を最大化することができます。
以下のポイントを押さえて、適切なメール配信を心がけましょう。

  • メールを送信する前に、受信者からのオプトインを必ず取得する。
  • 配信停止の手続きを簡単にできるようにし、即時対応を可能にする。
  • 個人情報保護法や特定商取引法についても理解を深め、適切な対応を行う。
    これらを実践することで、特定電子メール法や他の法律に違反せず、信頼される企業としての地位を確立できます。

 

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