ROIとは「Return on investment（リターン・オン・インベストメント）」の略で、ビジネスやマーケティングにおいて投資した費用からどれくらいの利益や効果が得られたのかを示す指標です。一般的にはマーケティングの費用対効果をはかるために利用されることが多く、SMSでROIの数値を計測する場合は、プロモーションやアンケート、アポイントメントのリマインダーなどのシーンで活用できます。

ROIを算出することで、費用対効果を正確な指標で測定することが可能になり、有効なマーケティング施策を見極めやすくなります。かかったコストに対してどれくらいの成果が得られているのか正確に測定できないと、無駄なコストをかけてしまうリスクがあります。

SMSを活用し、ビジネス上で成果を出すためには、ROIの算出は欠かせないといえるでしょう。

ROIの算出方法

ROIの算出方法は、以下の式で求められます。

ROI（%）＝利益金額 ÷ 投資額 × 100

※利益金額＝売上－売上原価－投資額＝粗利（売上総利益）

例えば、以下2つの施策を比較してみましょう。

2万円を投資し15万円の利益を獲得した施策A
200万円を投資し300万円の利益を獲得した施策B

2つの施策のROIはそれぞれ以下になります。

施策A　750％ ＝ 15万円 ÷ 2万円 × 100
施策B　150％ ＝ 300万円 ÷ 200万円 × 100

一見すると、施策Bの利益額のほうが大きいですが、施策AはROIが5倍となり、費用対効果で優れていることがわかります

ROIは、何を効果・費用とするかで結果が大きく変わってきますので、明確な基準や平均値はありません。ただし、ROI が100%以下の場合、利益より投資金額が大きいことを示すので、100%を下回らないことが1つの目安といえます。

SMSのROIを測定するメリット

SMSのROIを測定するメリットは、費用対効果の把握だけでなく、戦略の再調整や新たな施策の検討などもあります。ROIを正確に計測することで、ビジネスの最適化が図りやすくなるでしょう。

施策の成果が把握しやすい

ROIを測定するメリットは、施策の成果が把握しやすいことです。ROIを算出することで、どれくらいの成果が出ているのか数値で表すことができます。また、各施策を横並びで比較しやすくなるため、仮に数値が悪かった施策については、施策の再検討や中止など改善策を打ち出す必要があるでしょう。

費用に対する効果の見通しが立てやすい

ROIのメリットは、かけた費用に対して、どれくらいの利益が見込めるか見通しやすいことです。例えば、

ROI 750％＝利益 15万円 ÷ コスト 2万円 × 100　の施策A

に対して、さらに30万の利益を生み出したい場合には、

利益 30万円 ÷ ROI 750％＝コスト 4万円

を投資すれば、30万円の利益が見込める試算になります。ただし、これは費用対効果の効果が比例する場合に限るため注意が必要です。

もし費用対効果の試算を行わずにそのまま施策を実行してしまうと、無駄な出費が増えてしまったり、余分に投資することで収益が下がってしまったりというようなことが起こりやすくなってしまいます。

少しでも無駄な出費を出さないためには、ROIを算出しコストに対してどれくらいの回収ができるのか明確に把握することが重要です。

比較検討ができる

ROIを算出するメリットは、比較検討ができることです。例えば前年と今年、ターゲットごと、訴求ポイントごとなど、複数の分析軸でROIの算出を行うことで、どれくらいの成果が出たのか分析できます。ROIで算出したデータを活用すれば、より高い費用対効果が見込める施策が打ち出しやすくなるでしょう。

今後のビジネスの見通しが立ちやすい

ROIの測定メリットは、今後のビジネスの見通しが立ちやすくなることです。例えば1週間、1か月、1年など過去の売上に対してどれくらいの費用をかけてきたのかをしっかり分析することで、予測が立てられるようになります。

ROIの活用によってビジネスの見通しが立ちやすくなれば、適切な意思決定がしやすくなるでしょう。

SMSでROIを算出する際の課題点

SMSにおけるROIの算出は、費用対効果の把握や費用削減、比較検討などさまざまなメリットが得られるのがメリットです。しかしROIを算出する際、いくつか課題点もありますので注意が必要です。

利益獲得まで長いビジネスには不向き

ROIの算出で抱える課題は、利益獲得まで長いビジネスには不向きということです。ROIの算出には投資額と一緒に売上総利益が必要になるので、売上が獲得できていない状態で求めてしまうと悪い数値を算出してしまいます。

とくに新規開拓したばかりのビジネスや開発関連のビジネスなどは成果が出るのに時間がかかりがちなので、ROIを経営の判断基準にすることは難しいでしょう。

数値化できないビジネスや施策に対応できない

ROIの弱点は、数値化できないビジネスや施策などに対応できないことです。分かりやすい例だと、ブランドの認知拡大度や顧客満足度、社会貢献性などが代表的でしょう。アンケートを通してどれくらいの認知度を獲得したのか把握することはできますが、利益につながったかどうかは分かりません。

ROIはあくまでもコストに対してどれくらいの利益を獲得できたのかの指標なので、数値化できない項目は除外する必要があります。

要因が明確でないと分析が難しい

費用対効果の指標が図れるROIですが、どのような要因が利益につながっているのか正確に分析することは難しいです。ほとんどの企業ではWEBサイトやSNS、WEB広告などさまざまな媒体を活用して集客を実施していることでしょう。

ROIの計算式に入れる売上総利益はトータルでの利益を指すので、さまざまな施策や媒体などで獲得した可能性があります。

もし、より正確に利益を獲得した要因を把握したい場合は、アトリビューションと呼ばれる手法がおすすめです。
アトリビューションはコンバージョンに至るまでの複数の接点を多角的に分析し貢献度を割り当てるという考え方で、購入に至った顧客がWEBサイトや広告、SNSなどどのツールで経路をたどってきたのかを分析します。

複数の媒体があると分析するのに苦戦してしまいがちですが、慣れてくればどのような接点で購入に至ったのか把握しやすくなるでしょう。

SMSでROIを向上させるためのポイント

SMSでROIを向上させるためにはどのような施策を凝らすべきなのか頭を悩ませている方もいることでしょう。ここからは、SMSでROIを向上させるためのポイントを紹介します。

ニーズに合ったメッセージを送信する

SMSでROIを向上させるためには、ニーズに合わせてメッセージを送ることが重要です。どんなに魅力的な商品であっても、闇雲に不特定多数の人にアピールしても意味がありません。女性向けの化粧品を、女性に限らず男性や子どもにも宣伝してしまうというようなイメージです。

SMSで成果を出すためには、顧客の趣味嗜好や特徴を分析し情報発信する「パーソナライズ」という手法を行うのがポイントです。先ほど紹介した化粧品の具体例を挙げると、おしゃれ好きの女性に向けて情報発信するイメージです。ニーズに合ったコンテンツを提供すれば、コンバージョン率や顧客満足度の向上にもつながりやすくなるでしょう。

ただし顧客のニーズは多様化し複雑化してきているので、より細かくパーソナライズしたい場合は、セグメンテーションを実施するのがおすすめです。

セグメンテーションとは市場や顧客を複数のグループに分けるマーケティング手法のこと。例えば、商品に対して「興味があり購入した」「興味があるけど購入していない」「知っている」「知らない」というようにグループ分けしていきます。

顧客層ごとにグループ分けをすることで、どのようなメッセージを送るべきなのか判断しやすくなるので、ぜひ試してみてください。

SMSの利用料金を見直してみる

もしSMSのROIの数値の悪さで、コストがかかり過ぎている場合は料金を見直したり、他のサービスへの乗り換えを検討してみるのも1つの手段です。例えば1通15円かかっていたところ10円に変更することで、送信にかかるコストが抑えられます。

SMSLINKの場合は1通6円からメッセージを送信できます。SMSを効率よく利用したい方はぜひご相談ください。

適切な時間・頻度で送信する

SMSで効果的なコミュニケーションを取るためには、送信する時間や頻度などの調整も重要です。しつこくメッセージを送信したり、深夜や早朝などメッセージを送信したりと適切でないタイミングや頻度で送ってしまうと顧客によっては迷惑に感じてしまう場合があります。

SMSでROIを最大化させるためには、顧客に配慮したメッセージの送り方にこだわることも必要です。どのようなタイミングや頻度がベストなのか、常に検証しましょう。

自動送信・予約送信を活用する

SMSでROIのさらなる向上を図りたい場合は、自動送信・予約送信機能を活用してみるのがおすすめです。決まった時刻にメッセージが送信できるよう設定することで、手動でメッセージを送るよりも効率よく送信ができます。

さらに、既存のシステムとAPI連携することで、顧客が特定の行動したことによって自動でメッセージを送ることも可能です。例えば、ECサイトで買い物カゴに商品を入れたまま購入せず、サイトを離脱してしまった場合、その行動をトリガー（きっかけ）としてSMSでメッセージを送ることができます。

ユーザーはSMSをきっかけに購入に進む確率があがり、ROIの向上につながるでしょう。

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迷惑SMSに対する対策を徹底する

昨今では、SMSを活用した迷惑メッセージや詐欺被害などが相次いでいます。そのことから、突然届いたSMSに対して警戒心を抱く方は少なくありません。

そのようなユーザーの警戒心を解くためには、メッセージ本文内に会社名を記載したり、サービスの概要を説明したり、公式HPにてSMSで連絡することについて告知をしたりするなど、工夫が必要です。

さまざまな工夫を凝らして、ユーザーが抱く警戒心を解いていきましょう。

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SMSのROIを算出して費用対効果を向上させよう

本記事では、SMSのROIを向上させるためのコツについて解説しました。ビジネスによってはSMSのROIを数値化させることは難しいものの、データを導き出すことによって具体的な費用対効果の成果を把握できます。

もしSMSのROIを向上させたい場合は、ニーズに合ったメッセージを送信したり、SMSの利用料金を見直してみたり、自動送信・予約送信を活用したりするなどさまざまな工夫を凝らすことが重要です。ROIの数値を参考に、SMSで改善するべき点があれば修正していきましょう。

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